西丸炭五郎
アーティスト。美術批評家。言葉だけを用いて、作品タイトルがそのまま作品であるという、タイトル=作品という構造の作品を制作している。また、作品は長い文章のような形式になる場合もあり、それがそのまま批評文として機能することもある。

注意。言語は常に限界を孕みながら、なおも語ることを欲する。否定神学はこの限界を超克せずに引き受けることで、沈黙のうちにこそ語る可能性を探った。私たちはいま、情報過多と視覚の暴力に晒される時代において、語りすぎることではなく、語らぬこと、語れぬことにこそ応答する芸術的態度の必要性を見出そうとしている。
西丸炭五郎
2025
テキスト
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歴史はつねに過去形で語られる。だが、その過去形の文末には、いつも読点が潜んでいる。それは言い換えれば、言い尽くされていないという兆しであり、未了の可能性である。歴史は語りのうちにのみ存在し、その語りの形式が変わるたびに、同じ出来事は別の出来事になる。語りの形式、つまり文体こそが歴史を構成する認識の変数である。
西丸炭五郎
2025
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